プロジェクトオプション

新規プロジェクトの作成画面を整理するために、新規プロジェクトの作成には「プロジェクトデータ」と「プロジェクトオプション」の2つのタブのみが表示されます。ここで、建物のタイプを選択し、システムエンジニアリング(建物設備類)を入力します。その後、入力データに基づいてプログラムが生成されます。プロジェクトオプションには、以下のような項目があります。



建物データの入力

以下のオプションを使って、建物データを入力します。

  • 「単純な入力」:いくつかのパラメーターを設定することで3D建物が作成されます。作成された3D建物はすぐにシミュレーションを実施でき、後からHottCADで編集することもできます。
  • HottCAD」:ここでは、CADで建物データ一式を入力できます。その際、希望に応じてHottCADPVモジュールを屋根に設置できます。
  • 「表形式で建物データを入力」:建物の各構成部材を表形式で入力できます。ここで作成した建物はHottCADで開くことはできません

設備のオプション

「プレミア」および「プラチナ」プランのお客様は、シミュレーションにおいて詳細モードと簡易モードのいずれかを選択できます。簡易モードでは、限定的な冷暖房容量が建物に与える影響が概算されます。「スタンダード」プランのお客様は、簡易モードしかご利用いただけません。ライセンスの種類は、後から変更することも可能です。後から変更する際には、簡易モードの選択を解除し、システムの削除を求めるメッセージを確定します。システムを削除した後、詳細な設備選択が可能になります。

詳細モードでは、冷暖房一体型の設備も選択できます。そのような一体型設備の例としては、冬に暖房し、夏に吸収型冷却塔で冷房する冷暖切替式のヒートポンプや熱電併給システム(CHP)などが挙げられます。または、暖房システムと冷房システムを別々に選択することもできます。さらに、必要に応じて熱回収のための換気システムをプロジェクトに追加できます。

計算モード

ここでは、プロジェクトのシミュレーションに使用する計算モードを選択します。複数の項目を選択でき、また選択内容を後から編集することもできます。「ドイツVDI 2078 - 冷却負荷」または「DIN 4108-2 8.4準拠の夏季断熱」を選択した場合は、プログラムに新たなビューが追加されます。


計算には以下のオプションを使用できます。

自由シミュレーション:これがデフォルト設定です。使用可能なデータから気象データを選択します。例えば、例年よりも暑い、または寒い年のデータも選択できます。使用プロファイルは自由に選択し、編集できます。または完全にカスタム設定することもできます。シミュレーションでは選択した条件(建物データ、気象データ、使用プロファイルデータ)に基づいて、室温と冷暖房負荷が計算されます。建物設備類が定義されている場合、建物と組み合わせてシミュレーションされます。

湿度を考慮する:このオプションを選択した場合、シミュレーションでは室内湿度が計算されます。この計算を行うために「使用プロファイル」で湿度発生源を定義します。湿度発生源および換気から、室内の湿度が1時間刻みでシミュレートされ、シミュレーション結果には快適度グラフが表示されます。

ドイツVDI 2078 - 冷却負荷VDI 2078はドイツとオーストリア以外では定義されていないため、それ以外の国ではこのオプションを使用できません。自由シミュレーションとは対照的に、人工的な気象データが使用されます。これは、建物立地の冷却負荷ゾーンから計算します。この計算の主な目的は、必要な冷却容量を算定することにあります。建物のシミュレーションは、年間のある特定の日についてのみ実施できます。つまり、シミュレーション対象期間を編集することはできません。建物設備類(冷暖房システム)は無視されます。このオプションはプラチナプランのお客様のみご利用いただけます。

DIN 4108-2 8.4準拠の夏季断熱:DIN 4108はドイツとオーストリア以外では定義されていないため、それ以外の国ではこのオプションを使用できません。ここではテスト基準年の気象データが使用されます。このデータは建物立地の夏季気象地域をもとにしています。自由シミュレーションとは異なり、使用プロファイルは固定されています。このオプションは、主に室温が過度に高くなるのを防ぐために使用されます。つまり、温度(度数)が特定の値を超えてはいけません。建物設備類(冷暖房システム)は無視されます。

太陽光発電システム

太陽光発電システムには別の計算オプションを使用できますが、それはここで指定します。太陽光発電システムの計算には、1つ以上のオプションを選択する必要があります。計算には以下のオプションを使用できます。

  • DIN計算:ドイツのDIN規格に準拠して計算された結果が表示されます(シミュレーションは実行されません)。この計算では詳細な容量設計は不要です。ただし、このオプションが使用できるのは、ドイツ内の建物に限定されます。
  • クイック検査:クイック検査は「モジュールフィールド」ページに表示されます。これによって、詳細な設備設計を行う前の参考として、発電設備の経済効率を簡略的に概算できます。
  • 詳細な配線接続計算:太陽光発電システムの全面的な設計を行うことができます。これにはパワーコンディショナとストリングモジュールの配線接続構造も含まれます。オプションが選択されると、システムのシミュレーションが行われ、その詳細結果が「太陽光発電 - グラフ」に表示されます。